草薙は、仕事に取りかかりながら、ぼんやりと写真の男の事を考えていた。
あの男は、いずみさんにとって、どういう人だろう?
やっぱり、いずみさんのいい人なんだろうなぁ。
ちょっと、それとなく、聞いてみようかぁ。
潔子(きよこ)さんに、聞けばよいかな。
あ、そうだ。
仕事が終わっても、マウンテンカフェの常連になっちゃおうかなー。
そういうのも、ありだよな!
草薙は、仕事に取りかかりながら、ぼんやりと写真の男の事を考えていた。
あの男は、いずみさんにとって、どういう人だろう?
やっぱり、いずみさんのいい人なんだろうなぁ。
ちょっと、それとなく、聞いてみようかぁ。
潔子(きよこ)さんに、聞けばよいかな。
あ、そうだ。
仕事が終わっても、マウンテンカフェの常連になっちゃおうかなー。
そういうのも、ありだよな!
草薙は、Webをデザインした画用紙を手に持ち、マウンテンカフェの前に立ったの前に立った。
しばらく、マウンテンカフェの前でたたずみ、あのカウンターの写真の男のことを考えていた。
・・・・
少し自分が何を期待していたかを考えると、自分が卑しい人間のような気がしてきた。
僕は、マウンテンカフェでWeb制作をしに来ているのに、いったい、なぜ??
時間を少しやり過ごし、マウンテンカフェの扉を開いた。
初夏の前の春の陽気の暖かい空気に包まれながら、僕は、マウンテン・カフェの前で、少し大きな深呼吸をした。
今日は、店内とスタッフの撮影だった。
「潔子さん、少し笑顔で!」
コンパクトデジカメで、店内を、あちこち撮影した後、スタッフ撮影に入っていった。
「両手を少しだけ、重ねる感じで。」
潔子さんは、少しぎこちなくポーズを取って、笑顔を作っていた。
20枚近く撮り、いずみさんの撮影となった。
太陽光に照らされ、少しはにかんだファインダー越しのいずみさんは、絵画のように美しかった。
「じゃ、バストアップから撮影して行きます。」
ファインダー越しに、いずみさんと目と目があった。
時間が、ゆっくり流れ、僕の意識は、上空30mにあった。
上空10m、5mと徐々に意識が戻って来て、ハッと目覚めたように、ファインダーを見やった。
一通り、撮影が終わり、あと取り残した所はないかと、店内を見回した。
出口付近は、撮り終えている・・・・、テーブル席もOK。
カウンター席も撮影済み。
そうだ。カウンターの内側から、店内を何枚か、撮影しておこう。
「いずみさん。カウンター席の内側、入っていいですか?」
「あぁ。どうぞ。どうぞ。」
草薙は、ゆっくり、店内を横切り、カウンターに入っていった。」
「いずみさんと潔子さんの入った写真も、5枚くらい、撮っておこうか。」
草薙は、カウンターの真ん中ら辺で、カメラを構え、数枚、撮影した。
「ありがとうございます。」
「あと、何枚か、撮影させてもらいます。」
何枚か撮影し、テーブルと同じ高さの位置で、撮影しようと、少し屈むと、カウンターの下に、いづみさんと男が写っている写真立てが一際存在感を現し、飾られていた。
草薙の動揺は、大きかったが、冷静を装いながら、後の撮影を終えた。
「あとは、実際にデザインするだけなので、完成すれば、お持ち致します。」
「NGなら、遠慮なく仰って下さい。」
「数回なら、手直しします。」
草薙は、心中の動揺を、いずみさんや潔子ちゃんに悟られないよう、少し俯向き加減に店を出た。