Category: イギリス文学

[ 書評 ] 『ジーキル博士とハイド氏』〜単なるホラーではなく、純文学であり、現代の寓話であり、神話である。〜

01 8月 20
Kazu
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一体、何十年くらい積ん読本になっていたか、わからないが、世界近代文学読書案内の書籍まとめで紹介した木原武一氏の『要約世界文学全集1 (新潮文庫)』に魅力的に紹介されており、薄い本であったために、やっと手に取り、読んでみた。

木原武一氏の要約を読んだ時に既にわかっていたが、興味本位のセンセーショナルな小説ではなく、文学の香りを感じさせた小説であった。

物語はよく知られているが、あまり原作まで読まれてはいないであろう書であるが、ホラー的興味ではなく、一体、どんな話であろうと興味を持たれた方は薄い本でもあるし、手に取ってみては如何でしょう。

尚、この記事は、僕の記述した物語の概要や書評には、よく知られた話だとしても、内容に突っ込んでいるので、少なくとも5年以上は読まないという方、原作には興味はあるが、読むつもりはさらさらないという方以外は、読まない方がよいでしょう。

古い翻訳であったが、別段読みにくいということはなく、スラスラ読めました。

余談ですが、著者のロバート・ルイス スティーブンソンの晩年の生活を中島敦が『光と風と夢』に描いている。
未読ですが、名作と言われています。

『中島敦全集〈1〉 (ちくま文庫)』 所収。

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